第6章 NOTICE
[不協和音]1
「奈々美!心配したんだからね?!」
冬獅郎と別れ、奈々美が十番隊に帰って来るやいなや、乱菊は彼女をきつく抱き締めた
この時の乱菊は当たり前だがいつものボケを忘れ、きちんと膝をたたみ、奈々美が呼吸をできる状態であった
彼女の必死さから自分は多大なる迷惑を掛けてしまったと静かに嘆いた
「アンタは三番隊に書類を届けに行ったと思ったら暫くして腕に分厚い包帯巻いて帰って来るし!隊長は私の言った事に血相変えて隊舎から飛び出したと思ったら全然帰って来ないし!
私一人だし、雷は鳴るし、もう心配させんじゃないわよ!!」
「…すいません乱菊さん」
奈々美は眉を垂らして微笑むと、優しく乱菊の背中をさすった
「執務室に入りましょ。…話してくれるわよね?全部」
「…勿論です」
****
「私の知らないうちにそんな事があったのねぇ…。で?大丈夫なのその腕は」
執務室に入り、乱菊の淹れてくれた緑茶を啜りながら奈々美は彼女に全てを話した
今までの嫌がらせや、先程の倉庫での出来事
それに、冬獅郎とのやり取りを
「はい、卯ノ花隊長が言うには二週間程でギブスも取れて普段通りの生活ができるそうです。
…まぁそれまでは何かと不自由ですけど…」
「そっかぁ。じゃあ暫くは戦いの稽古はお休みね」
乱菊は頬杖を付いた
彼女自身もまだ少し奈々美に起こった出来事が信じられないでいるのだ
『奈々美の今の様子にも何か裏がある様な気がする…』
そう考えた乱菊は更に質問を投げ掛けた