第6章 NOTICE
[渇仰随喜]1
*奈々美side*
二人でベンチに座ると直ぐに日番谷隊長がこう言って来た
「楠木、お前これが初めてじゃないだろ」
「何言ってるんですか…」
「しらばっくれてんじゃねぇぞ。お前が以前から嫌がらせされてんのは知ってんだ。いいから正直に話せ」
少し睨みを利かせて言って来るから私は怯んでしまった
やっぱり分かってたんだ…
「…六番隊で左腕を怪我した時が最初でした。その時は放っておけば直に止むだろうと思ってたんですが、段々とエスカレートしてきまして…」
私は言葉を濁した
日番谷隊長は困っている様な怒っている様な表情でずっと下を向いている
私は日番谷隊長を本気で怒らしてしまったのだろうか
「お前ちょっと左腕、見せてみろ」
姿勢を正し、そう言う彼に黙って腕を渡す
チュ…
すると、何とビックリ日番谷隊長は、私の差し出した腕に包帯の上からキスを落とした
「!、日番谷隊長…////」
「こんなになるまで一人で頑張ってんじゃねぇ…。俺たちは昔から助け合ってきた幼馴染みなんじゃねぇのかよ。お前はそう思っていなくても俺は今でもそう思ってる」
やっとこちらを見たと思ったら、彼の顔は悲しく歪んでいた
それに言葉を失う私
「………」
「聞いていいか?楠木は何故十番隊の三席になろうとした。お前だって馬鹿じゃない、こうなる事は分かってた筈だ。
そこまでして入隊したいと思った理由を聞かせて欲しい」
俺はずっとそれが気になってたんだ と最後に日番谷隊長は付け加えた