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BLEACH第一章『Opening』

第5章 Locations subject to rainbow


[自己弁護]1


倉庫の中には各々の斬魄刀に手を掛ける三人の姿があった
空気は非常に緊迫している
一人膝を床につきながら刀を構える死神は、全身がボロボロとなっており、唯一動かせる右手は刀の柄をしっかりと握っていた

「そんな状態で私たちに立ち向かうつもり?悪いけど今のアンタには私一人でも負ける気がしないわ」

キャハハと笑う彼女たち
だが例え相手が何本の斬魄刀を持ち得ようとも、自分が死ぬ事になっても、今の奈々美にはどうでも良い事だった

刀を鞘から抜く二人
奈々美も相手の出方を見て抜くつもりであったが、それは一つの言葉によって止められる

「そろそろその辺にしておいたらどうだ?」

「「「!!」」」

六番隊の女二人が振り向くと、そこには肩で荒く呼吸をしている全身びしょ濡れの冬獅郎がいた
まさかこんな廃倉庫に誰も来るまいと思っていた六番隊の二人は、奈々美に背を向け近付く様にして冬獅郎から数歩の後ずさりをした

「ひ…つがや…たい…ちょ…」

奈々美は声にならない声で呟くと、足の筋力を緩ませその場に腰を落とした
すると冬獅郎はその場で彼女たちを一瞥するとこう言った

「随分と俺の三席を可愛がってくれてたみてぇだな。
 
  …何故こんな事をする?」

その後の彼の視線は奈々美へと行っていた
本来ならば彼自身も二人を殺したい衝動に駆られているが、それらを全て押し殺し、なるべく冷静に且つ、ゆっくりと対応していた

「…ただ単に憎かったんです」

「ほんの何ヶ月前に霊術院から卒業した奴がいきなり三席の地位に就いて、何年も今の地位から抜け出せない私たちにとってこの子の存在が憎くてたまらなかったんです」

「それに未だに自分たちの隊長や副隊長ともあまり話せないのに、この子はそれができる。
名前も呼び捨てで、敬語も遣わないで」

一つ物を言えば二つ三つとどんどん言葉が出てきた


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