第5章 Locations subject to rainbow
[自己弁護]2
内心こんな事は分かり切っていた冬獅郎だが、ここは彼女たちの言葉を聞く為に敢えて何も言わず黙っておく
「こいつがいきなり三席に就けたのは当たり前だがそれ相応の努力をしたからだ。簡単にはできないと思う。
それに楠木が隊長格と仲が良いのは俺もよく知らねぇが、コイツ自身の人間性の問題だろう。
確かに楠木には人を惹きつける程の魅力がある。色んな意味でな。
腹いせに人を傷つける様な奴には一生かかっても分からねぇと思うがな」
「「………」」
冬獅郎の言葉に二人は黙り込んでしまった
だが彼は更に彼女たちに追い討ちをかけた
「…今までコイツが手を出さなかった理由、分かるか?」
「いえ…」
「それはだな、楠木はお前ら二人を一瞬で気を失わせる程の霊力を持ってるからだ」
「「ええっ?!」」
(ええっ?!)
冬獅郎からの驚きのカミングアウト
これには二人は愚か、奈々美までもが驚きを隠せないでいた
「普段は抑えてるから分からなかったかも知れねぇが。お前ら楠木に殺されなかっただけありがてぇと思え。
分かったら今すぐここから消えろ。ただし、朽木と阿散井にはこっちからきちんと言っておくからな」
最後に冬獅郎は自身の霊圧を強めて言い放った
二人はその威圧感に顔を歪ませ、その場を逃げる様に去って行く
気付けば降り続いていた雨は止んでいた
自己弁護(ジコベンゴ):自分で自分について言い訳して、かばい助けること