第5章 Locations subject to rainbow
[水平思考]1
冬獅郎と恋次が執務室を出てから暫く経った頃、冬獅郎のみがその場に帰って来た
「アレ、隊長恋次はぁ?」
「帰ったぞ。ヤツもお前みたいに暇じゃねぇからなぁ」
そこで再び二人の睨み合いが始まる
バンッ!!
「日番谷隊長、書類の点検をお願いします」
激しい音を立てて、奈々美が机に書類の束を置いた
「お、おう分かった…」
(危ねぇまた同じ事を繰り返しちまう所だった…)
「そう言えば日番谷隊長、さっき恋次と何話してたんですか?」
冬獅郎に書類の点検をして貰った終わりに奈々美がこう尋ねた
「…いや、それはだな」
奈々美から視線を外し言葉を探す冬獅郎
そこに乱菊がすかさずフォローを入れる
「隊長どうせアレでしょ?金輪際俺の奈々美に手ェ出すんじゃねぇぞ的な内容でしょ?」
「そうなんですか?」
乱菊のニヤツキ度を見て冬獅郎はやられたと思った
だが奈々美にこれ以上深く問われない様にする為に、そこは無理矢理にでも合わせるしかない
「…ん。まぁそんな感じだ」
照れ隠しの為に口元を手で覆い隠したが、やはり乱菊には筒抜けだった
(勿論奈々美は分かっていない)