第5章 Locations subject to rainbow
[実践躬行]1
*乱菊side*
『今回は大目に見てやる。だが今度一回でも俺にそんな口を聞いてみろ。…分かってるな』
「はぁ~…」
あんなにマジで怒ってる隊長なんて見た事がない
いや、いつもあの人はガミガミしてるけどさ、今回はマジの意味が違う
次、私は日番谷隊長に反抗したらクビになるだろう
私も久々に泣いてちょっと感情的になりすぎちゃった所はあるけどさ
そこまで言ってでも幸せになって貰いたいんだよ、アンタたちには
それに自分でも別に間違った事は言ってないと思うし
「…ふぅっ!やっと落ち着いてきたわ!」
折角あそこまで隊長に啖呵切って来たんだから、最後までやり通さなくちゃ駄目よね
私にはもう一人啖呵を切らなくちゃいけない奴がいる
「久しぶりね雛森。元気してた?」
「あっ乱菊さん!会いたかったですぅ」
そう、私がガツンと言ってやりたいのは雛森 桃
言わばこの事件の元凶だ
(…日番谷隊長しか受け入れない筈なのに私はいいのか)
まぁそんな事はどうだっていいのよ
むしろそっちの方が好都合だし
「どうしたんですか?乱菊さんが私に会いに来てくれるだなんて」
その無邪気な笑顔を向けている目の前の少女が、自分の部下をボロボロにさせた張本人だと思うと何だかとても哀しい
「雛森、アンタ一体何がしたいの?隊長と奈々美の間に溝を作る様な事をして」