第5章 Locations subject to rainbow
[極悪大罪]2
「日番谷隊長、只今戻りました」
乱菊さんが怒らせたって言うからどうなってんだろうと思ったけど、日番谷隊長は普通に書類処理をしている
でも隊長自身がピリピリしていなくても、空気が痛い程ピリピリしていた
「おう。なぁ楠木。松本…何か言ってなかったか?」
「乱菊さんですか?あぁ何か日番谷隊長を怒らせてしまったって言ってました。物凄く落ち込んでいましたよ。何かあったんですか?」
念の為日番谷隊長に乱菊さんと同じ事を聞いてみた
「いや別に何でもないんだ。ただ俺がアイツに強く当たっちまっただけで」
私の予想だが二人はまた直ぐに仲直りはできると思う
だってこの状況下でもお互いの事を想ってるんだから
だけど今はそっとしておいた方がいいだろう
すると日番谷隊長が私に話掛けてきた
「なぁ楠木にとって俺はただの上司なのか?それとも幼馴染みなのか?聞かせてくれ」
「へっ…?それってどうゆう…」
「お前からは何も聞くな。俺の問いだけに答えてくれ。
自分勝手なのは分かってる。だがはっきりしておきたいんだ」
私の言葉を遮ってまで問い掛ける日番谷隊長はあまりに脆く、触れてしまえば崩れた落ちそうな程に悲しく歪んでいた
「私は━━━…」
極悪大罪(ゴクアクタイザイ):この上もなく悪い大きな罪