第4章 皆と仲良く……
「口に合うか分からないけどこれ手作りのおかゆ」
エレンが持ってきたのは言った通りおかゆだった
朝の目覚ましで2人同時に起きエレンが急いで作ったものだ
「具合はどうだ?」
「昨日より悪化した気がする……」
「そっか……まぁ学級閉鎖になったしゆっくりしてればいいさ」
「学級閉鎖になったの!?」
「あぁアニのこと連絡したら学級閉鎖だってよ」
エレンはニコニコとしていた
(本人じゃなくてエレン……しかも異性が代理の電話……変な誤解が生まれなきゃいいけど)
アニは内心すごく焦っていた
「おい、手が動いてないけどどうしたんだ?……しかたねぇなー」
アニの手元にあったおかゆとスプーンを取り上げた
「あっ!」
「口に合わないかもしんないけど身体のためだから我慢しろよ?」
そう言いながらエレンはおかゆをスプーンにのせアニの口元に運んできた
(え?なんであたしエレンに食べさせてもらおうとしてるの?)
口元まで差し伸べられたスプーンとそれを見つめるエレンに耐えかねてアニは口を開けおかゆを食べた
エレンがアニの口からスプーンを取るとアニはうつむいてしまった
「そんなにまずかったか?俺もまだまだってことだな」
その時アニからぼそっと声が聞こえた
「ん?何か言ったか?」
「おいしい……」
「お、おうありがとな!」
エレンは少し驚いた顔をした
「そんなにおかしなこと言ったかい?」
「いや、別に……それよりもう少し食べるか?」
「うん」
エレンはアニにおかゆを食べさせた
「もう食べれない……」
「まぁ半分食えたからいいほうじゃねぇか?そしたら後はゆっくり休め!」
エレンはアニの肩を押して寝させた後に布団をかけた
「じゃあ俺他の人のお見舞い行ってくる!」
エレンは急いで身支度を終え出かけて行った
「エレン行っちゃったか……何だか寂しいね……」
(あれ?1人が好きなはずなのになんでこんなことを……きっとこのウイルスのせいだ……寝よう)