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[進撃]何度でも[R18]

第12章 初めて知る恐怖


全てが想像を超えていた。

実物の巨人は恐ろしく、そしておぞましい。不快としか言いようが無い感情が心の中で蠢いている。

アレが人を食う、巨人。
殺戮の限りを尽くしている、人類の敵。

私は意を決してペンを突き立てた。
ガリガリと紙を削るように眼前の光景を描いていく。

『う……っ‼︎』

しかし、限界はいとも簡単にやって来た。巨人の肉体切除実験が始まったからだ。

目を輝かせる分隊長とは対象的に、吐き気を催した私は口元を抑えて目を背ける。

建物の中に居ても分かってしまう凄まじい臭気。

切除された断面から発せられる蒸気に乗って、室内に侵入して来たのだ。

「……何度見ても、慣れねぇな」

「そうですね」

護衛兵達はなんとも複雑な面持ちで実験を見つめていた。

ハッと我に返った私は自分の使命を思い出す。私は描かなければいけない。あの肉の断面を、細部まで…!

『……よし』

自らに喝を入れて前を向いた私は、無我夢中でペンを走らせるのだった。
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