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[進撃]何度でも[R18]

第12章 初めて知る恐怖


私はバインダーをこれでもかと握り締めて呼吸を整える。

書物や立体模写を嫌という程見た。
大丈夫だ、覚悟は出来ている。

何度もそう言い聞かせるのに、身体は中々云う事を聞かない。先程から震えが止まらないのだ。

「おい、実験開始だ」

「了解。暗幕を開けますが…宜しいですか?」

自由の翼を背負った兵士二人が私を挟んで立っている。

兵長が遣わした護衛兵の一人は丁寧に私の了承を求めてくれた。

『…はい、お願いします』

恐怖を捨て去れないまま首を縦に振る。

次の瞬間。
暗幕の影から姿を現した巨人に、私は。


『………っ‼︎……⁉︎』


思わず息が止まった。
無意識にペンを落とした。

瞬きすら出来ない、体が動かない。
まるで金縛りにあったみたいだ。

兵長がこの場にいたら間違いなくチョップを喰らっていただろう。其れ程に、私はパニックを起こしていた。

「大丈夫か……?」

「さん、しっかりして下さい。気を確かに持って…さあ描くんです」

護衛の兵士に肩を叩かれて、やっと意識がはっきりした私。慌てて謝罪すると落としたペンを握り直す。

私の心臓は、壊れる寸前の勢いで暴れまくっていた。
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