第12章 初めて知る恐怖
「おはよう!迎えに来たよ、お姫様!」
もの凄いハイテンションで笑顔を見せる分隊長。
実験当日の朝だからだろう。
身体中からアドレナリンが噴き出ている、様な気がする。
「準備は出来ているようだね」
『い、いや……私まだパジャm』
「今日は宜しく頼むよ。熱く滾る実験画を期待してるから!」
分隊長は私の両手を握り締めてブンブンと振りまくった。
寝間着のまま外に連れ出されそうになる様子をペトラさんとエレンが笑って眺めている。
そこに割って入ったのはリヴァイ兵長だった。
「いい加減にしろ…はお前の玩具じゃねぇ、俺の暇潰し用だ」
真顔でそんな事を言う兵長は部屋のドアに体重を預けている。対する分隊長はニヤリと意味ありげな笑みを見せた。
「はいはい、分かってますよ。リヴァイの大切なお姫様だもんね」
「……舐めた事言ってると舌を削ぎ落とすぞクソメガネ」
二人の小競り合いはその後しばらく続き、私達は紅茶を啜りながら時々笑いを漏らしたのだった。