第11章 夕暮れの強制デート
コンコンッ
オレンジ色に染まった空を眺めていると背中の方でドアを叩く音がした。
素早くて音の高いノック。
ペトラさんだろうか。
『どちら様でしょうか』
思わず日本人らしい台詞を言いながら扉を開けるとそこに立っていたのはリヴァイ兵長だった。
襟元の緩いカットソー姿で私を見つめて…否、睨み付けている。
『どうなさったんですか』
「来い」
『え?』
「いいから来いって」
有無を言わさず私の腕を掴んだ兵長。
何の言葉も発さぬまま廊下を突き進んでいく。
『ちょっと…兵長、どうしたんですか』
私は見慣れつつある兵長の刈り上げに向かって言葉を投げた。
しかし、兵長は答えない。
『リヴァイ兵長』
「……」
『兵長ってば』
「……」
『かり○げくん』
次の瞬間、兵長が鬼の形相で振り向いたのは言うまでもない。