第10章 閉めたがる団長
「可愛い部下が出来て良かったな、リヴァイ」
「これの何処が可愛いんだ。これの」
エルヴィン団長の言葉を受けた兵長は不機嫌な視線を返した。
普段から悪い目付きを更に鋭くして、私の頭頂部に拳をグリグリしている。
『痛い!痛いです兵長!縮んだらどうするんですか』
「少しくらい問題ねぇ…お前はデカすぎる」
『あ、もしかして私と目線が変わらないの気にしt』
そこまで言いかけた時、ついにキレた兵長は手刀を繰り出した。人類最強のチョップは、そりゃあもう痛い訳で。
『………っ‼︎』
無言で悶絶していると団長の笑い声が降って来た。直後、美しいブルーアイズが眼前に迫る。
「…リヴァイはこう見えてとても繊細なんだ。女性を扱う様に接してやってくれないか?」
団長はそう言って片目をパチッと瞑った。まるでハリウッドスターの如き素敵っぷりだ。
そのオーラに圧倒された私は、喉の奥で返事をするのだった。
『…り、了解致しました』