第9章 「来ちゃった」【R18】
コン…ッ
揺らめくランプ灯りに誘われてうたた寝しそうになった時だった。
窓の方で異音がした気がして私は目を覚ます。
『……?』
恐る恐る近づいて見るが窓の外には何も無い。それもその筈だ、だって此処は二階なんだから。
気の所為だろう。
そう自分に言い聞かせて私はベッドに戻ろうとする。
しかし、再び同じ音が聞こえてその足を止めた。
コンッ カツン…ッ
どうやら窓に何かがぶつかっているらしい。
私は若干の恐怖と好奇心の元、そっと窓に忍び寄る。
『……っ‼︎』
暗闇に目を凝らすと、庭から此方に向かって小石を投げる人影がひとつ。
その正体に私は目を丸くした。
スラリと伸びた手足に短めの髪。
異音を作り出していたのはジャンだったのだ。