第2章 調査兵団宿舎にて【R18】
『あ…あれが、巷で噂のビーエ』
自身の中に沸き上がる新たなフェティシズムに心踊った時だった。
ミシ…ッ バキッ
『ルゥゥゥ…ッ!グハァッ‼︎』
私を支えていた枝が突如として折れたのだ。
体重のせいではない、断じて私が重いからじゃないもん。
格好悪い絶叫を撒き散らして地に落ちた私。叩きつけられた左腕に激痛が走る。
『ぐっ…う、痛った…‼︎』
あまりの痛みに顔を歪めていた時。
前方から姿を現す男が一人。
不服そうに歪められた口元が印象的な中年男性だ。
ちなみに攻めを担当していた方である。
「おい…お前、誰だ?」
男は不思議な服を身に纏っていた。
丈の短いジャケットは一見軍服のようにも見えるが…何だ、何かのコスプレか?
まあそんなプレイもあるだろう。
そんな下らない考えを巡らせていると、中年男に髪を鷲掴みにされた。
鋭く細められた瞳。
これでもかと睨みを効かせている。
「おい答えろ…!お前は、どこの何奴でゃ…っ」
ガリッ
鈍い効果音が聞こえたかと思えば、それは男が舌を噛んだ音だった。