第6章 同情と愛情【R18】
『…や、離して…っん‼︎』
ドアが閉じるのも待たずして私は壁に押し付けられる。両手首をジャンの左手に掴まれて頭上に上げさせられた状態だ。
無理やり唇を奪われて顔を背ければ、今度は耳に歯を立てられた。
『痛っ…!』
「俺の自尊心でも守ったつもりか?」
耳元で低く囁かれて思わず心臓が跳ねる。ジャンは空いた右手で私の首を掴んでいた。
「ムカつくんだよ…そういうの」
『……っ‼︎』
再び唇を重ねるのと同時にジャンは右手に力を籠めた。
ちゅ くちゅ…
互いの唾液が卑猥な音を立てて絡む。
苦しい。
息が、出来ない。
『(何なの、これ…)』
いやらしいキスに脈拍が駆け足になっていく。私は初めての感覚に戸惑いが隠せず瞳を揺らした。
このままじゃ絞殺されてしまうと云うのに、身体が熱くなる一方なのだ。