第25章 それでもその日はやって来る
「……先生」
突然、エレンの声に呼ばれて後ろを振り向く。
何処から姿を現したのか、そこには神妙な面持ちでこちらを見るグリーンの瞳があった。
「あいつら…ライナー達は……もう、戻って来ないぜ」
え……?
そう問おうとしたのに、声が出ない。
予想外の言葉に思考が停止してしまっている。
やはり、私の目に狂いはなかった。
先程飛び出して行ったのはライナーとベルトルト。それから……アニ、ユミル、クリスタの計5名だ。
「事情は話せない……今はな、まずは団長に話さなきゃならないから」
エレンはそう言って少しだけ微笑むと、凱旋パレードへと引き返して行った。