第25章 それでもその日はやって来る
「よぉ、ガキンチョ。泣き腫らした目で俺を出迎えてくれたのぴゃ……ガリッ」
『オルオさん!』
通常兵より一回り大きな馬に乗るオルオは、安定の舌噛みを見せて血を吐いた。
そこへペトラさんの声が飛ぶ。
「……だから馬に乗ったまま喋ると舌噛むよって、毎回言ってるでしょ」
蔑んだ瞳でオルオを一瞥した後、ペトラさんは私の方を見やってウィンクをしてくれた。
天使だ。
「!今日はパーティだぞ!」
「帰ったら早速準備だな」
後に続いて声を上げたグンタさんは頭をポンポンと叩いてくれて、エルドさんはおでこを小突いてくれる。
いつもと変わらぬ幸せが、ひとつ残らず帰って来たのだ。