第25章 それでもその日はやって来る
「……チッ」
まさに“良い所”で響いたジャンの声に兵長が舌打ちをした。
私は苦笑を返しながらも待ち侘びた新兵の声に心を弾ませる。
『ジャン……おかえり…!』
思わず声を裏返しながら言うと、ジャンはニヤッと笑ってVサインを返してくれた。
ジャンの周囲に目を走らせる私。
そこには見慣れた顔ぶれが揃っていて。
ただいま!
また会えたな!
ハツラツとした笑顔を見せるのはコニーとアルミンだ。
「教官ー!きょうかーん!」
ブンブンと手を振るサシャの後ろでミカサが敬礼している。
次に飛び込んで来たのは男性の声。
この世界に初めてやって来た時に聞いた、意地悪なアイツの声である。