第25章 それでもその日はやって来る
凱旋が行われる門前通りに到着した私は、まず憲兵団の団長が帰還した姿を確認した。
続いて目に入ったのはエルヴィン団長。
しかし、その表情はどこか悩ましげだ。
ドクンッ
大きく拍動する心臓。
指先が痺れるような緊張が全身を襲う。
しかし、この莫大な不安が全くの見当違いだったと……私はこの直後に知ることになった。
「あ!姫ーっ!お出迎えしてくれたんだね〜‼︎」
元気いっぱいに手を振るのはハンジ分隊長だ。その隣には最近世話係となりつつある副隊長の姿がある。
幸いなことに、二人とも無傷らしい。
私は胸を撫で下ろして駆け寄った。