第24章 懇親会と云う名の
「別に……そんなんじゃないよ」
そっぽを向いて答えるアニ。
彼女の顔を覗き込むようにしてベルトルトは身体を寄せた。
「アニは嘘付く時、必ず耳が赤くなるんだよね」
耳元で囁かれたアニはバッと振り向いて耳を押さえる。その顔からは先程までの無感情な色は消え去っていた。
「あ、アンタの事だから……!どうせ、下らない理由で打つのを躊躇ってるんじゃないかと思って!」
「……アニ」
「わざわざ言わせないでよ……っ」
顔を赤くして憤慨する愛しい人。
彼女を見つめるベルトルトの眼は優しさに満ち溢れている。