第23章 兵団対抗野球大会
ライナーが宣言通り先頭打者本塁打を打ってホームベースを踏む頃、ベルトルトは溜息をついていた。
背番号7
レフトポジション
二番打者
バッターボックスに立った彼は、またひとつ大きな溜息をつく。
「(勘弁してくれよ……どうして、彼女なんだ)」
その視線の先、マウンドに立つ憲兵団のピッチャーはブロンドの髪が美しいアニ・レオンハート。
ベルトルトの想い人だ。
ベルトルさーん!
かませー!
二点連取だー!
方々から声援が上がる。
ベルトルトはプレッシャーと恋心の狭間でもがき苦しんでいた。