第23章 兵団対抗野球大会
「来いやコルァ!」
威勢良く雄叫びを上げるのは背番号8、センターを守るマッスルマンことライナーである。
真剣な表情でバットを構えているが、その頭の中はクリスタのことで一杯だ。
「(……見ててくれマイクリスタ)」
なんかコイツこればっかだな。
そんな雰囲気も否めないが、しかし。
思春期真っ盛りの彼等にとっては恋愛こそ人生の全てと言っても過言ではないのだ。
少なくとも、ライナーはそうである。
「(俺はお前の為にホームランを打つぜ)」
しかし、肝心のクリスタはユミルとお茶するのに夢中で毛程もグラウンドを見ていないのであった。