第3章 リヴァイ(兵長で悶える)班
「へっ…兵長…!それは…‼︎」
「あ?」
黒板を背にして座るリヴァイは戦慄いているエレンを見て眉根を寄せた。
「何だ、その阿呆みてぇな面は…」
「だって…‼︎ 兵長が、その、眼鏡…!」
あまりの衝撃に上手く言葉が話せないエレン。
震える指が指す先には眼鏡を掛けた兵長がいた。細いブラックフレーム越しにエレンを睨みつけている。
「兵長って眼鏡男子だったんですか⁉︎」
「…ああ。書き仕事の時はな」
ギラギラとした眼差しで自分を見つめるエレンにリヴァイは引き気味で答えた。
しかし、走り出した思春期という名の暴走列車は止まる事を知らない。
「イイ、凄くセクシーです兵長!普段も掛けてて下さいよ!」
「…は?」
「さすが人類最強!俺もお揃いの眼鏡買っちゃおうかな〜‼︎」
興奮して喋り続けるちょっとアレな部下。
その様子をしばらく黙って眺めていた兵長はプッと噴き出すとこう言った。
「馬鹿を見てると飽きないな…お前、エレンよ」
困ったように眉を下げて笑う兵長は人類最強に可愛いかったという。
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