第22章 兵長様はご乱心【R18】
「お前も知っての通りだと思うが……俺は、部下思いでな」
それとこれと一体何の関係があるんだ。
ジャンは愕然とした面持ちで兵長の言葉を耳に叩き込む。
俺を、口説く?
気でも狂ったのかオッサン。
幾つもの考えがジャンの頭に浮かんでは消えていった。
「そんな部下思いの俺が、だ」
可愛い新兵のお前から女を奪う訳にいかないだろ?
尚も兵長のとち狂った言葉は続く。
「だから、考えた……お前を傷付けずにを手に入れる方法をな」
兵長はそこで一旦言葉を区切ると、おもむろに立ち上がってジャンの方に歩を進めた。
にじり寄る乱心中の鬼上司から逃れようとジャンもまた一歩ずつ後退る。