第21章 兵長のターン【R18】
『はっ……離して、下さい!』
「断る」
顔中を真っ赤に染めた私は必死の抵抗をみせる。ジタバタと身を捩ってはみたが、やはり兵長には通用しなかった。
『班員の方々が見たら…っ』
「構わない。もう手遅れだしな」
『……⁉︎』
その言葉に驚いて視線を彷徨わせると、物陰に隠れて此方を見つめるリヴァイ(兵長を応援する)班が居た。
エレンに至っては涙を流しながら“頑張れ兵長”と書かれた旗を振っている。
「と、云う訳だ」
『……どういう訳ですか』
声を低くして問う私を一瞥して、兵長は不自然に口元を歪めた。