第18章 来たる懇親会に向けて
一発芸の台本について説明を続ける私。
教壇に隠れた左足は未だ兵長に踏まれたままだ。
「(モテる女は大変だね、姫)」
ハンジ分隊長が小さく囁いたのを察知して、兵長は大袈裟に舌打ちをした。
『……と、台本に関する説明は以上になります』
興味を持った者、我こそはと云う者。
演芸要員への志願を申し出る者はこれより開催するオーディションに参加してください。
私はそう付け足して役目を終えた。
最後に話を受け継いだのは兵長だ。
「批評、審査については我々幹部が引き受ける……生半可な気持ちで志願した者には主に俺が制裁を下そう」
それでも名乗りを上げたい者はこの場に残れ。この兵長の言葉を以て、全ての説明は終了した。