第3章 リヴァイ(兵長で悶える)班
「う…わあ!凄い、そっくり!」
描き終えた兵長の絵を渡すとペトラさんはとても喜んでくれた。
同じく夕食の席についていた班員達も「似てるな」「上手いもんだ」と声を掛けてくれる。
『喜んで頂けて良かったです』
私は照れ隠しに一口紅茶を啜る。
すると、ティーカップ越しにオルオが此方を睨んでいる事に気付いた。
『…な、何ですか』
嫌でも頭を過る暗闇の森での情事。
私は警戒心剥き出しの視線を投げる。
「チッ…何でもねぇよ!別に、俺にも兵長の絵を書いてくれなんて微塵も思ってねぇよ!」
うん。
だだ漏れてるね、欲望が。
私はそんなオルオに『素直じゃないですね〜』などと野次を飛ばしながらも兵長を描いてあげた。
男色家だし意地の悪い一面もあるけど…きっと、根は悪い人じゃないんだろう。なんかそんな気がする。
『はい、これ。特別に台詞も入れときましたよ』
ほんのちょっとした悪ノリのつもりだった。
これを見て皆が笑ってくれればいいな、その程度の出来心だった。
兵長の隣に描き入れた吹き出し。
その中にこんな台詞を入れておいたのだ。
“オルオ、愛してるぞ”