第3章 リヴァイ(兵長で悶える)班
「!貴女にお願いがあるの…‼︎」
ランプの薄明かりが照らす部屋の中、私は調査兵団特別作戦班の面々と共に古城を改装した施設にいた。
兵長の推薦と団長の判断により、私は兵団専属の書記役に任命されたのだ。
『はい…な、何でしょう…⁉︎』
その仕事は主に“巨人”に関する実験の様子を絵に書き起こすことらしい。
詳しい事はあとで兵長が教えてくれると言っていた。
「兵長の…!にっ、似顔絵を…‼︎」
『へ?』
しかし兵団側が私への警戒を完全に解いた訳でもなく、リヴァイ兵長の監視下にてこの身を置くことになった私。
「書いて…いえ、書いて下さい…!!!」
よって此処、通称リヴァイ班兵舎にて夕食の席に出席しているのである。
『リヴァイ兵長の似顔絵ですか…?』
「ええ、そうよ。貴女の画才はオルオから聞いたわ…お願い!」
机を挟んで向かい側に座る女性はペトラさん。橙色の髪が美しい綺麗な人だ。
「無理…かなぁ?」
なんとも可愛い上目遣い、そんな顔で頼まれたら断れない。
幸い兵長は市街に出向いていて不在だし、美人のお願いは買ってでも受けろって言うし。
私は笑顔で了承してペンを握った。