第2章 調査兵団宿舎にて【R18】
「金髪碧眼、ゴツい輪郭、太い眉…」
兵長は誰かの特徴であろう言葉を次々に並び立てる。そのスピードは早口言葉並だ。
私の職業は理解してくれたみたいだけど、やはりモンタージュについては伝わり切っていないらしい。
『え、いや…ちょっと待っ…』
「あ?何だ、書けねぇのか」
『いえ…ただモンタージュというのは特徴をひとつひとつ細かk』
「う る せ え」
『ひっ…!』
「書くのか、書かねえのか。どっちだクソ女」
『か…書きます。書かさせて下さい』
椅子に座らされた私。
目の前の机に腰掛けて此方を見下ろす兵長。
一見すると可笑しな構図で私はペンを走らせ続ける。
「違ぇ…鼻はもっと高めだ」
『は、はい』
「高くしすぎだ馬鹿。殺されてぇのか」
『勘弁して下さいごめんなさい』
もう嫌だ。
この人マジ怖い。
たぶん私の言っている事が本当かどうか実験的に描かせてるんだろうけど…この粗暴な扱いはどうにかならないのか。
ペンを握る私の手は、恐怖で震えていた。