第14章 オバケなんて嘘さ【R18】
第一組
ライナー・ブラウン
アルミン・アルレルト
尚、ペア編成は教会正門前にてクジ引きにより決定された。
「……思った以上に暗いな」
ライナーは左手に持ったランプを顔の位置まで持ち上げた。
表向きと同じ石造りの内装は埃っぽく、至る所に蜘蛛の巣が張っている。
一体いつ頃まで使われていたのだろうか。規則正しく並べられた長椅子は朽ち果てる寸前だ。
「おい…アルミン、あれ見ろ」
そう言ってライナーが指差す先には例の聖杯があった。
質素な木製の祭壇に鎮座するそれは暗闇だと云うのに一際強い光を放っている。
「意外とすんなり見つかったな」
ニヤリと笑みを浮かべるライナー。
ビビり過ぎて言葉すら発せぬアルミンとは対照的に、彼の頭は愛しのクリスタでいっぱいだ。
聞いてくれクリスタ。
俺は噂の教会で聖杯の血をワインに変えた男だぜ。
きゃーライナーすごーい!
超かっこいい!結婚して!
ふっ…よせよ、俺に惚れたら火傷するぜマイスウィートベイビー。
「ふ…ふふ、ふふふ」
膨れ上がった妄想にライナーが不気味な笑い声を漏らした、その時。