第13章 ビビるジャン
「おいアルミン!お前、それでも兵士か?人類の明日を担う俺達が幽霊なんぞ怖がってどうする⁉︎」
「怖いものは怖いの!放っといてよ!」
毛布ダルマと化したアルミンを必死に奮い立たせるジャン。
彼も既に兵団マントを着用しているが……前後ろが逆である。本人は気付いていないらしい。
「さあ…マントを羽織れ、立ち上がるんだ。俺達が今すべき事は何だ?肝試しに行って己の恐怖に打ち勝たなきゃだろ⁉︎」
ジャンは饒舌に語り掛けながらアルミンのブランケットを引っ張る。
「やめてよ‼︎ 毛布が破けちゃうだろ!⁉︎」
対するアルミンも超必死。
防護シールドだけは失うまいと死に物狂いでジャンに食らいついている。
『……ジャン』
「いい加減にしろよアルミン!とっとと立て‼︎」
『ジャンってば』
「なんだよ先生!今、俺忙し」
『貴様の翼は腹に生えるのか?』
なんとなく上官口調で言ってみた台詞。
一瞬にしてジャンが赤面したのは言うまでもない。