第13章 ビビるジャン
「ぎゃあああっ!」
「無理!マジ無理…っ‼︎」
談話室にエレンとコニーの絶叫が響いた。二人は手に手を取り合って金切り声を上げている。
突如として始まったライナーの怪談は良く出来ていて、語り部としての才能も感じられた。
兵団の稲川○二と命名しよう。
私はそんな分析めいた事を考えながら目を走らせる。こういう状況下で、人間の行動は4パターンに分れるものだ。
パターン1
エレン・イェーガー
コニー・スプリンガー
「もう絶対トイレ一人で行けねぇ!」
「連れションしような!絶対裏切るなよエレン!お前、頼むぞ⁉︎」
素直に恐怖を訴える直情型。
男子小学生の大半はこんな感じ。
パターン2
ジャン・キルシュタイン
「はァ?おいおい…何だよ、そんな子供騙し……はァ?俺、全然怖くねぇし、はァ?」
くどい台詞回しで平然を装う偽装型。
クラスで目立っている男子に見られる傾向であり、中二病患者に多いタイプである。
パターン3
ベルトルト・フーバー
「凄いよ、さすがライナーだね。でもちょっと気になったんだけど結局ソレって何だったの?」
感受性が人とズレている鈍感型。
KYなのになんだか憎めない困ったちゃん。一見落ち着き払った様子に見える為か、女子からの人気は高め。
パターン4
アルミン・アルレルト
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい(ry」
布団やブランケットを被り外界の音を遮断するチキンハート型。
え、あれ、居たんだお前……え、いつから?新兵達が俄かに騒つき出したのは言うまでもない。