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[進撃]何度でも[R18]

第13章 ビビるジャン


題名「怪音」
語り:ライナー・ブラウン


故郷の友人が体験した話をしよう。
仮にこいつを友人Aとする。

ある暑い夏の夜の事だ。
Aは茹だるような蒸し暑さのせいで中々寝付けずにいた。喉が渇いた…水が欲しい…這うようにベッドから抜け出たAは井戸水を汲もうと庭へ向かった。

室内の異常な暑さとはうって変わって、外は心地良い風が吹いている。しばらく夜風に当たっていると、汗が冷えたのか肌寒さを感じるようになった。

そろそろ戻るか。
体が冷えたことに満足したAは井戸へ行く事も忘れて家内へ戻ろうとする。

しかし、その時だった。

ズッ…ズ…ッ
何かを引き摺るような音が聞こえた。

Aは咄嗟に振り返る。
だが庭には誰もいない、自分だけだ。

気の所為か……Aはそう呟いて部屋に戻った。

ベッドに戻ると直ぐに異変に気付く。布団が冷たい、まるで真冬の冷気に晒されたように。

明らかに異常な冷たさにAは困惑する。さっきまであんなに暑かったじゃないか。一体、どうして……?そう…首を傾げた時だった。

ズ…ッズズ…ズ

まただ。
また聞こえた。

しかも今度は部屋の中でだ。

何かが地を這っている。
少しずつ、確実に、近付いてくる……!

Aは慌てて布団に潜り込んだ。
頼む、こっちに来ないでくれ!俺は何もしてない、何も悪くない、嫌だ、誰か助けて……っ!!!

……
…………あれ?

身を固くしていたAはいつの間にか怪音が止んでいることに気付く。良かった、助かった。心無しか布団にも温度が戻っている気がする。

Aはこれで落ち着いて眠れる…と溜息がちに布団から顔を出した。


「ズッ…ズ、ズズズ…ズズ」

「ぎゃああああああっ!!!!」


Aの聞いた怪音の正体はソレの笑い声だったのだ。
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