第12章 師団長とヤキモチ
「そんなことないってば。
ちゃんと家着いたかの確認だけさせてって
言われて、仕方なく連絡先教えたの。」
「気がない女の心配なんてするわけねぇから。」
「私もそんな思わせぶりな会話は
してなかったでしょ?」
ナイルの返事がない。
「……明日、彼氏いるってちゃんと言って、
連絡先消すから。」
「言ってねぇのか?」
「さすがにその場では言えないよ。」
人数合わせといえど、
合コンで彼氏います発言はNGだと思ってる。
だからといって、
彼氏いません!だとか、
彼氏募集中です!だなんて口が裂けても言わない。
とりあえず相手も
みんな彼氏がいない前提で話を進めるし、
特に口出しすることなく流しておいた。
私は正直その会がどうなろうと
構わないが、
友達の顔を潰すわけにもいかない。
「ナイル、シャワー浴びさせて?
この匂いでナイルと
くっついていたくない。」
しばらく間をおいて
無言でナイルの腕から力が抜けた。
「ちょっと行ってくるね。」
「おう。」
まだ機嫌はなおってなさそうだった。