第12章 師団長とヤキモチ
「……出ていい?」
腕を掴まれているため、
一応確認をしてみる。
すると、とても不満気なまま、
腕が解放された。
そして、リオは表示された名前を確認して、
電話に出た。
「…もしもし。
お疲れ様ですー。
今日はありがとうございました。
はい、無事帰り着きましたよ。
いえいえ!ご馳走様でした。
はい、えぇまたいつか。
ありがとうございますー
はーい、おやすみなさい。」
中身のない会話をすること
時間にしてほんの数分。
私は電話を切って、
再びナイルの方に向き直した。
その眉間の皺が取れなくなるんじゃないかと
心配になるほど顔をしかめていた。
「…合コンの男か。」
「え…まぁ、うん。」
ナイルの声がワントーン低い。
「絶対その男リオのこと狙ってるからな。」
ナイルに腰をグイッと引き寄せられ、
胸の中から自然と見上げる形になる。