第11章 師団長と酔っ払い2
ナイルは私の後ろから
離れようとはしない。
「ナイル、ホントに邪魔だから離れて。」
「無理。」
そんな会話を数回繰り返しながらも
なんとか洗い物を終えた。
ただこの状態からどうするべきか。
いつもならナイルの方を振り向いて、
上目遣いでもしてキスしてしまえば
とりあえずは逃れられる。
けれど、今は顔を合わせることすら
恥ずかしくてできない。
「リオ、こっち向け。」
「無理無理。」
右肩側にあるナイルの顔から逃げるように、
左に顔を背ける。
「ナイルが昨日のことを忘れてくれるなら向く。」
「……結構な無茶振りだな。」
無言の抵抗をしていると、
フワッと身体が宙に浮いた。