第10章 師団長と酔っ払い
「ナイル。」
何度目かわからないが
名前を呼ばれたかと思うと、
リオが胸に頭を預けてきた。
ナイルは無意識に
リオを抱きしめる。
「眠くなってきた。」
「え、おい。
とりあえずメイク落として
着替えるだけ着替えた方が
いいんじゃないのか?」
今にも意識を飛ばしそうなリオの肩を叩いてみるものの、
薄れる意識と戦いながら、
ナイルの服を握りしめてくるのみだった。
「メイクだけは落としたい…」
それだけはどうしてもなことらしく、
ボソッと呟いたかと思うと、
身体を起こし、おぼつかない足取りで
洗面台へ向かっていった。
そしてしばらく待っていると
またフラフラと戻ってきた。