第10章 師団長と酔っ払い
「ナイル。」
中途半端な体勢のまま
グイッと首に腕を回して引かれ、
腰を痛めそうになる。
「待て待て。わかったから。」
力でリオの行動に耐え、
リオが膝の上に跨るように抱えた。
「ナイルー。」
「なんだ?」
「私ナイルのこと好きだよー」
ギュッと抱きつかれながら、
耳元で囁かれたいつもなら考えられない発言に一瞬思考が停止する。
「ナイルは?」
「え、あ、当たり前だろ。」
「だめ。ちゃんと言って。」
少し身体を離して、上目遣いでそう言われる。
どうもこれに弱い。
わかってやってるのか
無意識なのかはわからねぇが、
一瞬で思考を持っていかれてしまう。