第10章 師団長と酔っ払い
そうしていると、
ガチャガチャと玄関の鍵を回す音が聞こえ、
すぐにナイルは玄関へ向かった。
「ただーーいまっ。」
「リオ!遅ぇ。」
「へ?あ、ごめんごめん。」
いつものツンとした様子とは違い、
リオはどこかフワフワしている。
片足を浮かせサンダルを脱ごうとすると、
ぐらっとバランスを崩した。
咄嗟にナイルが身体を支える。
「あっぶねぇ。」
「ありがとー。」
リオはヘラっと笑った。
まだ高さのあるサンダルは脱いでおらず、
部屋の中で並ぶ時より顔が近い。
キスだって何度もしてはいるが、
相も変わらずドキッとしてしまう。