第9章 師団長と素顔
「別にリオは
そのままでもいいだろ。」
「そーいうわけにもいかないの。」
すっぴんを堂々と
晒せる人なんて数少ない。
でも、不思議と、
ナイルの前ではすっぴんでいたいと思う自分がいる。
「メイクした顔は
どうも好きじゃねぇ。」
少し不満気な表情に癒された。
「下手くそ?」
「いや、
そんなんはわからねぇけど…
なんか隙がない。」
隙…?
難しいことを言う。
「あれは外用の顔だから。
むしろ隙がない方がいいでしょ?」
「あー確かにそうか。」
私のことをよく見ているのか
見ていないのか。