第9章 師団長と素顔
「何欲しいかなぁ…。」
そうだ。
本当に欲しい物を考えよう。
「そこからなのか?
何か欲しいものがあってのその発言じゃなかったのか。」
「え、違うよ。
なんかふと服が欲しくなった。」
自分の腕を枕代わりに、
そこに顎を乗せ、
正面にいるナイルを見る。
あまり見たい番組がなかったのか、
新聞とリモコンを置き、
ナイルも肘をついて私の方を見た。
同時に、
小さく吹き出す。
「不細工。」
そう言って、
あまり大きくはない机越しに
鼻をつままれた。
反射的に目は閉じるものの
抵抗は特にしない。