第8章 師団長と疑い
「いや、ホントに誤解だ。」
「何が?キャバクラ行ったんでしょ?」
「…いや、まぁ……行った。
でも仕事の付き合いだ。」
突き放されたのが
結構効いたのか、
私に寄って来ることはしないものの、
逃げないように右腕をがっつり掴まれている。
力の強さで必死さが伝わった。
「猫撫で声は可愛かった?」
もういいかなぁと思ったけど、
もう一押し。
「可愛いわけあるか。
こっちはリオで慣れてんだぞ。」
「……悪かったですね。」
嫌味か。
ちょっとホントにイラっとしそうになったが我慢。
「違う違う!
リオ以外の女に興味ねぇってことだよ!」
焦ったようにナイルが言い直す。
あーもう無理。
耐えられない。