第1章 師団長とテレビ
「何だよ?どうした?」
「テレビ見てて?」
「いや、リオが
邪魔するんだろうが。」
このナイルの
ジトッとした目が好き。
とてもめんどくさいと
思ってるでしょ。
「だめ。テレビ見てて。」
油断しているナイルが
ビクッとするのが
面白いんだから。
ナイルの顎を下から押し、
顔を無理矢理テレビに向ける。
掌にあたる髭の感触が面白い。
これを弄らずに
いられるわけがないでしょう?
「どうせ、
また引っ張ってくるんだろうが!
本当に地味な痛さだからやめろ。」
「やだ、やりたい」
「構ってほしいのか?」
「ううん。
テレビを見てる
ナイルの髭を引っ張りたい。」
「却下だ。」
私の両手は
ナイルの右手で
いとも簡単に自由を奪われた。