第1章 師団長とテレビ
「…今から髭触るの禁止。」
「!!!!」
私は絶句するしかなかった。
信じられない…
両手の自由を奪われたまま
テレビを見始めるだと…?
え、辛い。
辛すぎる。
無理無理無理無理。
ナイルの右手から逃れようと
頑張ってみるものの、
その度にグッと力が加えられ、
大きな手から逃れることは
出来なさそうだった。
あーもう最悪。
楽しかったのに。
私は諦めて
体重をナイルに預けた。
もうめちゃくちゃショック。
ちゃっかり空いている左手で
頭を撫でてくれるから
少しムカついた。
そんなことされたら
すぐ寝ちゃうじゃん。
そして案の定、
私の意識はどこかへ飛んでいった。