第3章 師団長と志○動物園
何事かと思い、
イヤホンを外して
ナイルを見上げる。
彼はそんな私の動きに
気付くこともなく、
テレビに釘付け。
結構テレビっ子だよなぁ…
あまりにも真剣に
見ているものだから、
つられて私も
テレビへと視線を向ける。
…あぁ。
そういうことか。
今日の企画は
プレーリードッグ。
彼のプレーリードッグに対する
ときめきが、
腕に力を入れただけだったらしい。
なんて似合わない嗜好。
こんなおじ様一歩手前…
もはやおじ様なのか?
とにかく、
微妙なラインに立っている
大の大人が、
プレーリードッグに目を
輝かせてるなんて。
しかし、
そんな所を可愛いだなんて
思ってしまう私は
彼に惚れすぎているのかな。
この人は
相変わらず私の心を
くすぐるのが上手い。
同時に
そんな愛情に満ちた心とは
違う種類の心も
くすぐられる。