第17章 掌の上
「アルミン!
ちょっと休憩!
目がしょぼしょぼする。」
「そうですね、
僕も疲れました。」
「ちょっとトイレ。」
そういって、
リオさんは大きく伸びをしながら
部屋を出て行った。
男2人の空間に
気まずい沈黙が流れる。
「何時までやるんだ?」
「んーずっと?
そしたらリオさんといれますし。」
「今すぐ帰れ。」
「冗談ですよー。」
「まぁ時間はともかく、
難しいことばっかり
やってると
脳みそ溶けるぞ。」
あぁ、
こういうところか。
「……リオさんは
ナイルさんのどこが
好きなんでしょうね。」
両肘をついて
手で顔を支えながら、
向かい側に座る彼に尋ねると、
本に向いていた視線が
こちらを向いた。