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師団長と妄想日記

第17章 掌の上




「お断りします。」


ジリジリと
絞り出した言葉は
一瞬にして丁寧に切り捨てられた。


「リオさん、
本当に可愛いですね。
ナイルさんが羨ましいです。」


きっとここは本心。

こいつのリオを見る目を見たら
それはわかる。


ただ一つ言えるのは、
こいつがただ純粋にその感情だけで動いている
可愛いやつではないということだ。


「本当、いい加減に」
自分の中で何かが切れかけた瞬間に
リオが戻ってきて、
ナイルは小さく舌打ちをしながら、
少し浮き上がった腰を元へ戻した。


そんな姿をも楽しむように、
アルミンは目を細めて眺めていた。


「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。
あの、さっきの実験のところで
やっぱり引っかかることが……」


先程雑に閉じたはずのページは
見事に元通り開かれていた。


それもそのはず、
ページがわからなくならないように
本と本が重ねていたり、
ペンを挟んだりした状態で
うまく閉じられていただけだった。


全てこいつの計算のうちであることを
ナイルは
まざまざと見せつけられた。


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