第17章 掌の上

「ごめんね、アルミン。」

「いえ、
僕こそ図々しくお邪魔しちゃってるのに
すいません。」

「大丈夫大丈夫、
気にしないで？
ナイルも反省してるみたい。」


横を通った時に
ナイルに頭を撫でられたことを
思い出しながら
リオはおかしそうに笑った。


「リオさんは、
ちゃんとナイルさんのこと
好きなんですね。」


リオの
柔らかい笑みを見て、
アルミンは呟くようにそう言った。


「あーまぁ、なんだかんだね。」


それに対し、
リオは少し照れながら答えた。


「さ、もう一踏ん張り続きやろうか。」

「はい、お願いします。」


再び2人は
先程までと同じように、
本達との睨み合いを始めた。

しばらくして
そっと戻ってきたナイルは、
2人のその姿を見つめながら
静かに長く息を吐き、
読みかけの本を再び開いた。