第17章 掌の上
「おい。」
急に飛んできた低い声に、
2人の視線が向く。
アルミンはチラッと
冷たい目線を向けると、
そっとリオから離れた。
「お前ら、近い。」
もっと言いたいことはきっと山程あるが、
それも全て声色に込められているのを
そこにいる3人はわかっていた。
少しの沈黙を置いて、
リオが大きく溜め息をついた。
「ナイル、ヤキモチ?」
リオはいつものテンションで
首を傾げながら尋ねた。
「アルミン可愛いもんねー」
リオは
返事を待たずに続け、
アルミンの肩に頭を乗っけた。
「でもアルミンは
ホントにただ可愛がってる
後輩なんだから。ねぇ?」
リオは頭を起こすと、
アルミンに微笑みながら投げかけた。
「僕もリオさんのこと
本当に尊敬してます。
あ、でもやっぱり彼氏さんの
目の前でっていうのは
僕が悪いですよね……。
すいません。」
アルミンの目線は自身の手元に落とされ、
申し訳なさそうな声が零れた。